教員資格認定試験(高校情報)の傾向と対策 1

教員資格認定試験

令和 7 年度の 教員資格認定試験(高等学校教諭一種免許状:情報)に合格しました。本連載では、現役の IT エンジニアが働きながらどのように対策を立て、合格に至ったのか、その過程を記録として残します。令和 8 年度の同試験の願書受付は既に開始されていますので、受験を迷われている方や対策を開始されている方の参考になれば幸いです。

初回の投稿では、この試験制度の概要と、対策以前に立ちはだかる申し込み手続きの注意点についてまとめます。

高等学校(情報)教員資格認定試験制度の概要

教員資格認定試験は、文部科学省が開催し、独立行政法人教職員支援機構 (NITS) が試験事務を行う国家試験です。教員養成系の大学を卒業していなくとも、実務経験等を通じて教員として必要な資質・能力を備えていると認められた者に、教員免許状を授与することを目的としています。

特に「高等学校(情報)」には、以下のような特徴があります。

一種免許状が得られる

本試験に合格し申請を行うことで授与されるのは「高等学校教諭一種免許状(情報)」です。これは、大学の教職課程を正規に修了した者と同等の専門性と資質があることを国が保証するものであり、以下のような特徴を持ちます。

  • 全国で通用する標準的な資格: 特定の自治体や学校でのみ有効な「特別免許状」や、期間が限定される「臨時免許状」とは異なり、全国の公立・私立高校で正規の「教諭」として採用されるための免許です。
  • キャリアの継続性: いわゆる「二種免許状(短大卒レベル)」とは異なり、将来的な主幹教諭や教頭といった管理職への道も、一般の教職課程修了者と同様に開かれている免許です。

IT 資格がそのまま受験資格となる

免許取得には通常、大学での単位修得と数週間に及ぶ教育実習が必須ですが、この認定試験の場合は、受験者が保有する IT 国家資格をその代替として評価する仕組みになっています。

  • 教育実習を保有資格で代替: 受験には応用情報技術者試験 (AP) 以上の合格が必須です。これが教職課程における教育実習等に相当する専門性の証明として機能するため、働きながら実習に参加する負担を回避できます。
  • コストと時間の最適化: 数年間の通学と多額の費用を要する大学ルートに対し、本試験は試験合格のみで一種免許状が授与されます。キャリアを中断せず最短距離で教員免許を取得できます。

2. 令和 8 年度の実施スケジュール

令和 8 年度(2026 年度)の試験スケジュールは既に発表があり、このブログの執筆時点で既に出願期間に入っています。

項目期間・日程備考
願書請求期間2026 年 1 月 23 日 ~ 2 月 27 日テレメールでのオンライン請求
出願期間2026 年 2 月 9 日 ~ 3 月 6 日消印有効・簡易書留限定
第 1 次試験2026 年 5 月 10 日(日)筆記試験(教職教養・専門)
第 2 次試験2026 年 9 月 6 日(日)実践試験(指導案・模擬授業等)

※ 正確な日時は必ず 令和 8 年度 教員資格認定試験 をご確認ください。

合格率はあてにならない

本試験は令和 6 年度に再開されましたが、その合格率は以下のように大きく変動しています(参考 PDF)。

  • 令和 6 年度: 受験者 63 名 / 合格者 40 名(合格率 63.5%
  • 令和 7 年度: 受験者 169 名 / 合格者 56 名(合格率 33.1%

受験者数が約 2.7 倍に急増した一方で、最終合格者数は 16 名増に留まり、合格率は大幅に低下しました。ただ、実際に令和 7 年度に受験した感覚としては、その前年度の試験(令和 6 年度)から大きく方針が変わったことはなかったと思います。

そのため、個人的には、この合格率の大きな低下は、試験の難易度が上がったためではなく、受験者のレベルが下がったからかと考えています。つまり、令和 6 年度は制度が再開された 1 年目で情報がなく、モチベーションの高い人が万全の準備をして臨んだ一方で、令和 7 年度は、情報もぼちぼち集められるようになり、前年の合格率が 63.5% であることから油断して臨んだ人が多かったのではないかという推測です。

ちなみに、令和 7 年度の合格者 56 名に対して、確か第 2 次試験の会場にいたのが 60 人ほど(うろ覚え)だったので、ちゃんと第 1 次試験を対策できていた人は、高い確率で第 2 次試験も突破できていました。

3. 願書請求 ~ 出願プロセスの注意点

試験対策において、まず優先すべきなのが「出願プロセスまでをつつがなく終わらせること」です。この試験の出願プロセスには、アナログな制約が多く、思った以上に時間がかかりがちです。

以下、令和 8 年度 教員資格認定試験 受験案内 から辿れる PDF を参照しながら、注意点を列挙していきます。

「願書請求」プロセスの注意点

2026 年 1 月 23 日 ~ 2 月 27 日までが願書請求期間です。

願書は教職員支援機構の窓口などでは配布されませんので、その日のうちに願書を手に入れるということはできません。例年、「テレメール」によるオンライン請求のみとなっていて、申請から手元に届くまでに 2 ~ 3 日は見ておく必要があります。住所や電話番号などを入力するだけで申請そのものはできるので、少しでも興味があれば 今すぐに願書を請求しておきましょう。 ただ、送料で 415 円が必要になります。

「出願期間」プロセスの注意点

2026 年 2 月 9 日 ~ 3 月 6 日までが願書の出願期間です。

準備するものが複数あり、それぞれ注意点があるので、箇条書きで列挙していきます。

  • 戸籍抄本または住民票の写し
    • 自治体が対応していれば、マイナンバーカードを使ってコンビニで発行できます(証明書コンビニ交付サービス)。
    • このサービスを利用したことがないのであれば、一度近所のコンビニで試してみるとよいでしょう。
    • うまくいかなければ、役場の窓口で発行してもらいましょう。
  • 高校の卒業証明書
    • 卒業時にもらえる卒業証書のコピーや画像データでは受理されません(卒業証明書は、それとは別の書類です)。
    • 卒業した高校のホームページに「卒業生の方へ」のようなページが大抵あると思うので、そこから担当窓口にコンタクトをとってみましょう。
    • 母校が遠方にある場合、郵送での請求と返送に 1 週間以上の時間を要することがあります。さらに、年度末の学校事務の繁忙期と重なるため、早めに着手しなければ出願期間内に書類が揃わないという事態を招きかねないので、注意が必要です。
  • 情報処理技術者試験の合格証明書
    • 合格時にもらえる合格証書のコピーや画像データでは受理されません(合格証明書は、それとは別の書類です)。
    • IPA のサイトによれば、オンライン申請のみ可能で、発行可否の判断に 1 週間、その後 1 週間で郵送とあるので、長いと 2 週間くらいかかる可能性があります(私の場合は 1 週間以内で済みましたが)。
    • 高校の卒業証明書と同様に、はやめはやめに申請しておかないと出願に間に合わなくなる可能性がでてきてしまいます。
  • 提出は簡易書留のみ
    • 必要な書類を揃えたら、郵便局の窓口に行って簡易書留で郵送する必要があります。
    • 受験手数料(25,000 円)の払込も郵便局に行く必要があるので、外出の回数を少なくしたい場合は、必要書類を揃えて郵便局に行き、払込を済ませたうえで受領証を貼り付けて封をし、それをそのまま簡易書留で送るようにすれば OK です。

まとめ

教員資格認定試験への挑戦は、この事務手続きを完遂することから始まります。私は普段あらゆることをメール等のデジタルで済ませていて、必要な書類を揃えることに苦労したので、慣れていない人によっては出願までが最初の試験と言えるかもしれません。

次回以降の記事では、第 1 次試験および第 2 次試験の傾向と対策を、私の経験を元にお話していきます。

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